蔵の裏で採れたサワーポメロ(文旦に似た柑橘)の果汁と国産非加熱蜂蜜を自然発酵。柑橘由来の苦み、厚みも
<生産者様資料より>
SUMOMO SOUR MEAD
スモモ サワー ミード
限定のフルーツミードを2種類リリースいたしました。
蔵周辺で採れた2つの果実、サワーポメロ(文旦に似た柑橘)の果汁のみを使用したミードと、すももを使用したサワーミードです。
サワーポメロを使用したミードは数が少なかったため、酒販店さまのご案内時に3,4時間程度でなくなってしまいました…。その後もお問い合わせしていただいた酒販店さまも多く、申し訳のない気持ちばかりです。
一方、すももを使用したサワーミードですが、こちらは酸味が特徴的であるものの、スモモの香りや蜂蜜の余韻の厚さなど、随所に面白い発見があるミードに仕上がっていると思います。
どちらも、自分ではまだまだ良くなる余地がとてもあるお酒ですし、初めての挑戦ということで予想を裏切られる局面も多かったのですが、だからこそ来年度は全く違ったお酒に仕上がると思います。
初年度の今でしか生まれ得なかったこのお酒を、ぜひ飲んでいただけたら嬉しいです。
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この2種類のお酒を今回リリースするにあたっては、大きな躊躇いがありました。
今回のお酒は蔵周辺で採れたすももとサワーポメロ(文旦に似た柑橘)を使用した、そもそもが少し変わり種のミードです。2つに共通することは「土地の創造性」によるお酒を見てみたい、という思いです。
人の技巧、知恵による創造性を、目的と手段そして実際のアウトプットが過不足なく一致するものだとしたら、自分はそういったものから外れていく、予定調和でなく予定不調和的なものの意外性や驚き、運動に惹かれます。(かといって、過度に予定不調和や抽象性だけを追求するものは、それはそれで何かが入り込む余地がなくシラケてしまうわけですが。大事なのはそれを受け入れる素朴な生であるはず。)
自身のお酒に置き換えていえば、ミードを選択した理由が、まさにこの予定不調和性で、様々な要素が侵入可能である不安定さにありました。そして、それは蜂蜜単体ではなく、果実などと組み合わせることで”どんなものでもお酒になってしまう”=土地の創造性が、一番大きく発揮されるのではないだろうか、そしてそれこそがミードが世界最古のお酒ともいわれる所以ではないだろうか、と考えていました。
だからこそこの2つのお酒には大きな期待を持っていたわけですし、大志を抱いていたわけですが、その反動か、とても難しい結果となってしまいました。考えてみれば当たり前で、「土地の創造性」を受け入れるということは、ある程度の人の創造性を手放すということで、狙った通りに造れないゆえ、あまりポジティブでない結果を生み出しかねないリスクを内在することになります。
しかし、「土地の創造性」を活かすということは人間の領分をすべて手放すことと同じではありません。来年は同じ原料でも全く違ったお酒、それもより良い形でお酒にできるという確信がありますし、今回のお酒でもデュオニソス的な災禍の奥にその萌芽を見つけられると思います。
複雑さゆえの豊かさ、驚き、そういったものが実は退屈かもしれない日常に潜んでいたことを思い出させてくれるはずです。ひょっとすると、人によってはその目覚めは悪いものになるかもしれません(マトリックス!)。
アテンション過剰の時間過密な時代ですが、人生楽ありゃ苦もあるさの間延びした時間感覚を共有し、成長記としてのnobanaをぜひ応援してくれたら嬉しいです。
たらたらと書いてきましたが、要するに言いたいことは「自分でも予期しない形になってしまったけれど、それはそれで現在のnobanaの形が詰まっているから、今しか生まれ得ないこのお酒をぜひ飲んでほしい。今回も面白い部分はあるし、次はさらにより良くできるはず。その変化も含めてとても面白いと思ってもらえる自信があるから、総体としての駆け出しのこの蔵の人生?をぜひ楽しみにしていてほしい」ということです。どうぞよろしくお願いします。
nobana(鹿児島)さんについて 〜2026年4月に蔵を訪ねてきました〜
東京は三軒茶屋WAKAZEでクラフトサケの醸造を経て鹿児島に移住し、拠点を構えた戸田恭介氏が立ち上げた、小さなミード醸造所「nobana」。
国産・非加熱の天然蜂蜜を原料に、酵母を添加せず、蜂蜜や蔵に棲みつく野生酵母・微生物の力で自然発酵。人がコントロールし過ぎることなく、その年、その季節、その土地が持つ表情を一つひとつのボトルに映し出しています。
目指すのは、甘い蜂蜜酒ではなく、ナチュラルワインのように食事と寄り添う一本。
蜂蜜由来の繊細な香りに、自然発酵が生む立体的な旨味と心地よい酸、時にはほのかなファンキーさが重なり、
飲み進めるほどに表情を変えていきます。
「自然が造り、人が整える。」
そんな哲学を映したnobanaのミードは、ワインとも日本酒とも異なる新しい魅力を持ちながら、ナチュラルワインを愛する人にこそ響く一本です。
まだまだ始まったばかりな「nobana」さんのものがたり。どうぞご一緒に、その歩みを見つめていきませんか。
<生産者様資料より>
▼創業までの経緯
1997年埼玉県うまれ。東京工業大学在学中にWAKAZE 三軒茶屋醸造所との出会いから休学し、酒蔵へ研修ののちWAKAZE入社。その後は大学を中退し三年にわたり製造責任者を務める。
白石酒造への共感からルーツの無い鹿児島に移住し、農と醸の現場を学んだのち2024年 nobanaを創業。WAKAZE在籍時に個人プロジェクトとして小規模製造販売していたミードの専門醸造所を新築でいちき串木野市の山あいに設立。2025年5月より醸造開始。
▼nobanaについて
nobanaは、国産の蜂蜜を山あいの蔵で自然発酵させることにより、蜜蜂と微生物がもたらす多様な要素がつめこまれた、生き物の魅力があふれるミードを目指しています。中山間部集落の旧公民館跡地だった荒地を整備し、そこに小さな醸造所を構えました。
使用するのは、加熱処理をしていない貴重な国産蜂蜜です。酵母を加えず、補助剤も使わずに、蜂蜜と蔵に眠っている微生物によって自然発酵させています。酒造技術よりも原料そのものが持つポテンシャルに焦点をあて、引き出すことで、日本の風景を映すミードを醸造します。
実は、蜂蜜だけで自然発酵を進めるためには、色の濃い蜂蜜が欠かせません。しかし市場では、アカシアやレンゲなどの黄金色の蜂蜜が好まれ、昔ながらの濃色の蜂蜜は敬遠されがちでした。
発酵に必要というだけでなく、実際に食しても力強さを感じるには、色の濃い蜂蜜も不可欠だと感じられます。また、何よりそういった原料が見過ごされているのは、とてももどかしい思いでした。小売では人気の出づらい蜂蜜を使うことで、養蜂家さんの助けにもなりたいと同時に、見過ごされてきた力強い原料を活かしたお酒が、ミードという形で実現できるのではないかと考えています。。
将来的には、耕作放棄地での養蜂や植樹、これまで活用が難しかった在来果実の利用にも取り組みたいと思っています。自然やお酒が秘めている原始的な魅力を、nobanaのお酒を通じて発見していきます。