pm,ch ピノムニエ、シャルドネ オーク樽で発酵熟成、瓶熟成24ヶ月。ノンドサージュ。白い果実のフレッシュなアロマ、クリーミィ、バター、スパイス香も。シェリー漬リンゴ
<輸入元様資料より>
産地:Champagne
ブドウ品種:シャルドネ50%、ピノムニエ50%
醸造・熟成:オーク樽発酵、4ヶ月熟成後、瓶熟24ヶ月
アルコール度数:12.5%
白い果実のフレッシュなアロマに続いて、クリーミーでバターのようなリッチな香りやスパイスのニュアンスが感じられる。泡はきめ細かく、凝縮感ある果実はシェリーに漬けこんだリンゴを彷彿させる。複雑な要素がまとまり、旨みを伴う余韻はとても長い。
<輸入元様資料より>
Chavost シャヴォスト
シャヴォ村の20の栽培家で構成するレコルタン・コーペラトゥール。伝統を打ち破る個性的な醸造家ファビアン・ダヴィオーが着任した2019以降大きな注目を集めている。 自社畑は全てオーガニック栽培。SO2不使用・ドサージュゼロ等のアプローチを取り入れ、テロワールの表現を追求している。
今、注目すべきサブリージョン、コトー・シュッド・エペルネ
シャンパーニュにおいて近年注目を集めるサブリージョンであるコトー・シュッド・エペルネ (Coteaux Sud d’Epernay)は、ヴァレ・ド・ラ・マルヌとコート・デ・ブランに挟まれており、エペルネの南に広がる11の村で構成されている。かつてはヴァレ・ド・ラ・マルヌの一部とみなされていたが、ピエリー村のジャン・マルク・セレックやシャヴォ村のラエルト・フレールといったスター生産者の台頭により、独立した地区としてその重要度は年々増している。 1946年に創設されたシャヴォストは、コトー・シュッド・エペルネにある、ブドウ畑を見守るように佇むサン・マルタン教会が象徴的なシャヴォ村に根付くレコルタン・コーポラティブだ。その名はシャヴォ村の古い呼び名にちなんでおり、約20の栽培家によって構成されている。
転機となるファビアン・ダヴィオーの着任
シャヴォストの転機は2019年、現在のワインメーカーであるファビアン・ダヴィオーの着任と共に訪れた。ボルドーや南アフリカ、カリフォルニア、シャンパーニュで研鑽を積んだファビアンは、2019年にシャヴォストに参画すると、有機栽培、亜硫酸無添加の醸造、リザーブワインの不使用、ドサージュ・ゼロといった通常の協同組合とは大きく異なる方向へと舵を切った。スタンダードキュヴェのブラン・アッサンブラージュには10haの畑からの買いブドウを使用するが、上級に使用する5haの所有畑は2023年に有機認証を取得している。 シャヴォストのシャンパーニュが持つ“特別さ”は、醸造における数々の選択が組み合わされた結果と言えるだろう。伝統的な複数ヴィンテージのアッサンブラージュは行わず、リザーブワインも使用しない。ワインのフレッシュさとフルーティーさを保つために新樽は使用せず、ステンレスタンクと古樽を併用し、1年間の瓶内熟成に留めるので、単一ヴィンテージであっても全てノン・ヴィンテージとしてリリースしている。醸造・瓶詰工程ともにSO2を一切使用せず、無清澄、無濾過である。また全てのキュヴェがドサージュ・ゼロのブリュット・ナチュールだ。
野心的な挑戦によって生み出されるシャンパーニュ
シャンパーニュにおいて、ハウスの一貫性はいつも叫ばれることであるが、シャヴォストにおいては、スタンダードキュヴェのブラン・アッサンブラージュからその年のキャラクターを如実に映し出しており、毎ヴィンテージが唯一無二の作品となる。「1/3はテロワール、1/3は気候、1/3は土壌がワインを形作る」と考えるファビアンにとって、味わいの調整剤ともなりえるドサージュは無用のものであり、SO2、ドサージュの無添加により、チョーク土壌由来のミネラル感や苦みといったテロワールの表現が際立つという。 このようなアプローチは、畑でのきめ細やかな作業、セラー内での厳しい衛生管理、そして何よりも健康で高品質なブドウへの絶対的な自信がなければ成り立たないものだ。New York Timesのワイン評論チーフを務めるエリック・アシモフは、自身がお勧めするスパークリングワイン13選の特集記事の中で、今や入手困難な造り手であるシャルトーニュ・タイエやドント・グルレのワインと並び、シャヴォストのブラン・アッサンブラージュを選んでいる。その特集記事内で彼は「シャンパーニュ地方のほとんどの協同組合と比べてもシャヴォストは異例だ。市販の酵母や、広く使われている安定剤や酸化防止剤である二酸化硫黄さえも添加しない。リスクの高いアプローチだが、その結果は素晴らしい」と記している。この言葉が、ファビアン達の野心的ともいえる挑戦の結果を全て物語っているだろう。今後ますます目が離せない生産者である。